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まなぞうドットコムです。

生まれて初めてのジムで地獄を味わった話

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先日、大学のサークルの後輩と一緒に近所のジムの体験に行ってみた。

ジムといえば、筋骨隆々な黒マッチョがフンフン言いながら筋トレマシーンで己の肉体をいじめ抜いてたり、全身NIKEに身を包んだモデル体型のおねえさんが美尻維持のためにトレーニングしててそのトレーニング姿も様になってて美しかったり、スタッフは全員美男美女で、優しい表情なんだけどドSで、でもイケメンだからみんな筋トレ頑張ってたり、そんなイメージを勝手に抱いていた。エネルギッシュで、若さに満ち満ちていて、飛び散る汗さえも光り輝いているはずだと。

 

そんなイメージは、足を踏み入れた瞬間に崩れ去ることになる。

 

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そもそもなぜジムに行くことになったかというと、すでにジムに通っている職場の後輩が、結婚祝いに無料体験チケットを2枚くれたのだった。聞けばビジター料金は一人5000円もするというのだから、10000円のプレゼントである。なんと太っ腹!いや、太マッチョ腹!キレてる!キレてるよ!

 

この「キレてる!」という言葉は、どうやら筋肉を褒めるときに使う形容詞らしい。大学生の頃、興味本位でボディービルダーの大会を覗いたことがあるのだが、会場は「キレてる!キレてる!」という声援で溢れかえっていた。

大変申し訳ないことに、その大会は私にとって「私、やっぱり筋肉モリモリの体好きじゃないな」と再確認するだけの場となってしまったが、キレてる!=褒め言葉という知識は大収穫であった。

 

本題に戻る。

受付でチケットを渡すと、スタッフのおねえさんがロッカールームに案内してくれた。服を着替えて、ロッカールームを出ると、先ほどのお姉さんが待っていてくれて、ちょうど5分後に始まるスタジオプログラムを紹介してくれた。

 

ジムには、プール、トレーニングルームの他に鏡張りのスタジオが2部屋あって、決まった時間にヨガやピラティス、ダンスなどのプログラムが行われる。

 「これから行われるプログラムですが、AスタジオではZUMBAという楽しいダンスレッスン、BスタジオではRPBコントロールというお腹周りを細くするトレーニン…」「Bで。」どうせやるなら辛そうな方と、被せ気味でBを選択。

Bスタジオに入ってみると、9割は女性だった。ジム仲間なのか、みんな楽しそうにお喋りしている。その時点でなんとなく違和感はあったがそれが何なのかわからず、レッスンが始まるまで何をしていいかもわからずでとりあえず二人して適当にストレッチとかしてみる。

 

しばらくするとインカムを着けた先生登場!

上半身は、あれ何て言うんだろう、スケスケの黒いTMレボリューションみたいな服に、真っ赤なタイツ、アイラインもびしっとキマっている。年齢は40代?くらいに見えるが、なるほどお腹周りに一切無駄な脂肪が見当たらない。素敵だ。 

そしてレッスンが始まる。アップテンポのクラブミュージックが大音量で流れる中、先生は「いや〜春ですねぇ〜!皇居マラソンに行ってきたけど人が多すぎて全然楽しめなかったわ〜!え!あなたも行ったの!楽しめなかったでしょ!あら平日に行ったの?あたしは日曜!こんなことどうでもいいわ、じゃあいくわよ、今日は真面目にね。あなたたちの眠っている骨盤を起こすわよ〜!RPBのRはリラックス、Pは(やばい忘れた)、Bはバランスよ。まずは手で筋肉に沿って触ってみましょうね。やあ〜だ、そんなに力強くこするように触っても脂肪は減るわけないじゃないの〜、キャハッ」

のっけからついていけない程のハイテンションである。

 

この時やっと、さっき感じた違和感が何なのかはっきりとわかった。

 

年齢層が違う。

違いすぎる。

 

ゴリゴリのクラブミュージックで、きみまろ口調の先生の声に耳を傾けながら、おばちゃんたちに混じってお股をさする。自分を保つので精一杯だった。

お股をさすりながら、音に合わせ、目を見開き、口角を上げて、とびきりのスマイルで

 

「ラ!ラ!ラ!ラ!ラ!ラ!ラ!ラ!ラ!」

 

 

これが、ジムなのか。

 

 

地獄の1時間だった。

ただ、レッスンが終わる頃には骨盤の位置を意識し、姿勢よく前を向いている自分がいた。ジムは、肉体だけでなく精神力も鍛えてくれるところなのかもしれない。

 

次のスタジオプログラムではHOUSE入門を選んだ。

HOUSEとはストリートダンスの一種で、大学の頃ダンスサークルに入っていた私たち二人にとっては馴染みのあるプログラムだった。先生もイケメンだったのでちょっとウキウキした。ただ、レッスンを受ける人たちは40〜50代が多い印象だった。

ブルーノマーズの曲が大音量でかかるだけで気持ちいい。そして先ほどのRPBコントロールレッスンでは感じられなかった安心感がある。

 

少しずつ追加されていくステップを必死に覚える。HOUSEは基本的に足の動きが多い。ダンサーのためのレッスンではないので、先生は上半身の動きだとか、グルーヴだとかニュアンスの話は一切しなかったけど、どうせならかっこよく踊りたい。

私のななめ前でレッスンを受けていた中年男性は、先生の「5,6,7,8!」の掛け声を皮切りに陸上で溺れるかのごとく手足をばたつかせている。よくよく見ると足のステップはきちんと合っている。それはそれで凄すぎる。さながら、ゲーセンのダンスダンスレボリューションの超難関レベルで、バーに掴まりながら画面上に落ちてくる矢印に合わせて床のパネルを踏むことのみに注力するゲーマーのよう。もはやそれはダンスと呼べるのか?いやダンスは自由だ、フリーダムだ、ラブアンドピースだと自分に言い聞かせる。 

イケメン先生に「上手だね!」と褒められ、ちょっぴり舞い上がるも、ジムに求めているのはこういうのじゃない。もっとこう、ストイックで、ハードで、ドMにならなくては。

 

息を整え、いよいよ筋トレマシーンとご対面。そうそうこーゆーのなんだよ求めていたのは!使い方がわからずあたふたしていると、常連と思われるおばちゃんが優しく丁寧に説明してくれた。

周りを見渡すと、やはり年齢層は想像より10年、いや20年高い。

日本の超高齢化社会の問題をこんなところで自覚するとは。

近い将来、日本はどこもかしこもこんな状態になってしまうのか……

 おじちゃんおばちゃんに混じって一通りの筋トレマシーンを体験し、締めのランニングを終えて、シャワーを浴びる。大浴場までついていて、設備、サービスは文句なしでした!

 

外はもう日が暮れて、そよ風が心地いい。

帰ってから焼肉をたらふく食べたので、間違いなくジムでの消費カロリーより摂取カロリーが上回るだろう。最悪だ。

人生初のジムを体験してみて感じたのは、ジムに通っている人たちは年齢にかかわらずみんなエネルギッシュで、身体だけじゃなく心まで若々しくて健康的に見えたということ。純粋に素敵だと思うし、尊敬する。

 

地獄なんて言ったけど、やっぱりジムはいいところだと思う。

自分の身体を鍛え、精神を鍛え、日本社会の問題を見つめ直すことができる場所。