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まなぞうドットコムです。

バレンタイン前夜、私は万引きGメンと化した

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少々古いですがバレンタイン前夜の話をしたいと思います。

これでも多少の乙女心はあるので、バレンタインには毎年欠かさず何らかの贈り物をしています。何年か前に炊飯器ケーキに初挑戦したところ、彼氏(現在の夫)はそれはそれは吐き出すほど美味しかったようで涙目で吐き出してました。私の乙女レベルがわかるエピソードでしょう?

 
今年はどうやって夫を喜ばせようかな、と考える。夫はフリーランスになってから健康志向が高まった。チョコやポテチをはじめ、私が愛してやまないお菓子たちにあまり興味がなくなったらしく、砂糖たっぷりなものやジャンキーなものは控えているようで。
そんな今年のバレンタインは難易度が高い。甘たっるいチョコをあげても喜んでくれないかもしれないし、8回目のバレンタインともなると私の手作りお菓子のネタは尽きてしまった。しかし今年は、一応結婚して初めて迎えるバレンタイン。これはもう気合を入れるしかない。


……ラムネだ。

夫はラムネが大好きだ。

ついさっきまで「夫は健康志向が高まった」と言ったが、健康志向らしさなんて微塵も感じられないほど、アホみたいにラムネを食べる。ラムネの原材料の9割はブドウ糖らしい。夫はブドウ糖の塊を愛している。

 
とりあえずラムネを箱買いすることにした。

 
せっかくのバレンタイン、あっと驚かせたい。

悩みに悩んだ結果、ラムネの他にも夫の好きそうなお菓子をいくつか買って「お菓子の家」を作ることにしました。 

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お菓子のまちおかへ

「お菓子のまちおか」は、その名の通りお菓子の専門店。関東を中心に展開する、夢とロマンと愛と正義(とデブの素)が詰まったお店。創業者がまちおかさんかどうかはわからないけと、こんな素敵なお店をつくってくれてありがとう、まちおかさん。


近所のお菓子のまちおかへ行く。

相変わらず、見渡す限りお菓子だらけでウキウキしちゃう!

いかんいかん、今日は私じゃなくて夫のためにお菓子を買うのだ、と自分に言い聞かせ、ラムネの陳列棚に手を伸ばし、27歳いい歳した女が28歳いい歳した男のためにラムネを箱買いする。

 
そのとき、ふと私の目が一人の少年を捕らえた。

中学生くらいだろうか、大きなリュックを背負っている。見たところ塾の帰りか何かだろう。少年は右手にピュレグミを握っていた。


この少年が、何と形容すべきか、

とにかくもうすんごい怪しい。

THE・挙動不審。


あ、やるなこいつ。(直感ピーン)

というより、 

いやいやいやいや!誰がどう見たってやるやん!!!やる気満々やん!!!

みたいな。


ちょうどレジから死角になる陳列棚の隙間から、向こう側を覗いて店員の動きをじっと見ている少年。ピュレグミをぎゅっと握りしめた右手は、タイミングをうかがうようにコートのポケット付近を行ったり来たりしているのを見てしまったのです。


そのとき!どこからともなく私の中の正義感が溢れ出し、私は万引きGメンと化したのである!!!

少年 VS 万引きGメンと化した私

少年は、店員の動きをじっと見ていました。その様子を、私もじっと監視しました。店員が移動するたびに少年も移動し、私もそのたびに移動しました。そして、じっと“その瞬間”を待った。


少年は何度か私のことも見たような気がしました。見逃すまいと、かなりの目ヂカラで彼を睨みつけていたと思うので、彼が私のほうを見るときには微笑みを浮かべながら商品を手にとってみたり、箱ラムネを撫でてみたり。これではどちらが挙動不審かわからない。5分、いや10分はこの緊張状態が続いた。

 
私何やってるんだろう。

早く家に帰りたい。

なんならもう、ほれほれ早くやっちゃえよ、って言いたい。家に帰って、お菓子の家を作らなくてはならないのだ。万引きGメンなんか今すぐやめて、パティシエにならなくてはならない。

 
ってほら。

ちょっと油断した瞬間、少年は私の前から消えた。


くっ!やられた!!!と刑事ドラマのように(脳内で)叫んだ私は少年を探しました。

すると、 

レジに並んでた。ほっ。(笑)

 
私は少年を解き放ち、自分の買い物に専念することにしました。これで万引きGメンとしての任務もおしまいだ。

 

でも、何かが引っかかってた。

彼を信じたい。信じたいのだけど。

 

もう一度、レジの列を見てみた。

少年だけが、消えていた。

 


ああああああああああ

 
止められなかった。

止められなかった。

止められなかった。

 
名前も知らない、赤の他人の少年の未来なんて知ったこっちゃない。私は彼の家族でも友人でもなければ警察でもない。本当は万引きGメンでもない。(周知の事実)


でも、気がつけば私は店を飛び出し、少年を探していた。

 

君、気付いてたんだよね

だから私を警戒して、並んだふりしたんだよね


数軒隣のコンビニの前で少年を見つけた。少年は大きなリュックを下ろし、右ポケットからピュレグミを取り出してリュックに入れているところだった。

私はそれを、数メートル離れたところで、ただじっと見つめていました。

 
少年がリュックを背負い直し、歩き出そうとしたところで目が合った。

少年の動きが止まった。

少年も私も、動かないまま、数秒間見つめ合った。
お互い、何を考えているかわかるようだった。

 
たまらなくなったのか、少年はコンビニに入って、雑誌を読み始めた。読むふりをして、雑誌で顔を隠しながら、私のことを見ていた。


少年のところへ行って、声をかけるべきか。

一緒にまちおかへ戻るべきか。

駅前には交番だってある。

それとも……

 
考えているうちに、少年はコンビニを出て、足早に駅の方向へ歩いて行きました。

私は、追いかけたい気持ちと追いかけたくない気持ちが半々とで、結局、動くことができなかった。

 
なんかもう、悔しい。情けない。

なんなら私が出頭して、まちおかさんに頭を下げたい。
でもあの時。Gメンらしく鬼の形相で睨んだあの時は、確かに彼に私の考えてることが伝わった気がする。
「必ず誰かが見ているよ」ということ。

これに懲りて、少年が二度と同じ過ちを繰り返さないといいな。

 

たかが万引き。されど万引き。小雨が降る中、もやもやした気持ちを引きずらないよう、家に帰ったのであります。

 
そうそう、お菓子の家をプレゼントしたときの夫の反応は「お~。」でした。